形見分けをしていただきました

先日、恩師が亡くなりました。
その後、縁あって形見分けをしていただけることになり、大学時代からの親友と久しぶりに母校に足を運んできました。
日曜日は学生も少なく、少ししんみりした気持ちの我々にはぴったりの静かな構内でした。

18歳の頃、田舎から出てきたばかりで友達の一人もいなかった私には、この図書館前の芝生の上で寝転んだり、楽器を弾いたりして、楽しそうに過ごしている先輩たちがそれは眩しく見えたものでした。

今も綺麗でおしゃれな大学だなあ…と思います。
恩師は四回生(って関西だけの言い方なんですね!?)でゼミを担当していただいた先生です。

大学では実験や統計などを基礎とした心理学を学ぶことが多かったため、臨床心理の専門である先生が赴任されてきたのがとても嬉しかったことを覚えています。

臨床心理士になりたいと決めていたものの、当時在籍した大学院では取得が難しく、他の大学院に移りたいと相談させていただいた事もありました。

卒業論文が行き詰まったり、プライベートで情緒不安定な時に(先生の仕事の範疇じゃないんですけど…)、お菓子片手に泣きついても(緊張感なし)、いつも変わらない穏やかさで話を聞いていただきました(私なら怒る)。

ゼミ旅行という名の、ただの観光(昼はプールで遊ぶ会)にも先生は小学生ばりの水泳帽持参で付き合ってもらいました(わりとノリノリだった)。夜の勉強会では突然みんなが静かになり「全然実験が進んでいません」「進捗は前と変わってないんですが」と報告が続いても、怒ることなく話を聞いてくださいました(私なら怒る)。

今思えば、かなり好き勝手に研究室に入り浸っていましたが、信頼して(あきらめて?)自由にさせていただいて本当に感謝しています。

こんなに早くお別れが来るなんて信じられず、まだ心の整理はつきません。
せめてあの頃の初心を忘れずに、ここまで導いて下さった日々の仕事を大事にしていきたいと思います。
膨大な書籍の中から、先生から学んだ領域を始めとする当時の自分を思い出せるもの、今の自分に必要なもの、を何点か選ばせていただきました。

懐かしい方たちにもお会いできて、先生の繋いでくださったご縁を今も感じられる日でした。
ちなみに親友とは待ち合わせからの4時間を、ずっと休憩することなく、ひたすら喋り続けていたことに今気づきました…周りの方、さぞうるさかったことでしょう…ごめんなさい。

この親友は、心理のことだけではなく人生のあらゆる局面を共有し、私が尊敬と憧れと絶対的な信頼を寄せる相手です。
コロナ禍と、家族のお世話が落ち着いたら!次は必ず食べまくりしゃべりまくる旅行を計画することを誓いました。

きっと先生も「いつもあの二人はしょうがないな」と笑ってくれることでしょう。

先生のことは絶対に忘れずに、立派な臨床家を目指します。
役に立たない卒業生でしたが、これからも見守っていてください!

京都市・御所南カウンセリングルーム 猫庵

この相談室は京都・御所の近く、鴨川や個性豊かなお店が多い場所にあります。 皆さんがほっと安心できるような場所を目指しています。 猫はいません、猫が苦手な方も遠慮なくお越し下さい。 不安や生きづらさ、発達や不登校、子育てのご相談などお聞かせください。 臨床心理士・公認心理師の資格を持ち、現在まで20年近く、家族の相談に関わってきた女性相談員が対応させて頂きます。 秘密は固くお守りします。

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